今日買った本2012年10月03日

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 昨晩、何かを検索して調べていたら、ひょんなことからまだ読んだことのない村上春樹の短編がそこそこ存在していることに気がついた。そんなとき、僕はいつも忘れないように買物リストにメモを残す。メモを残すと、それが気になって仕方がなくなる。予想していたことだけれど、夕方には紀伊國屋へと向かう。

 購入予定の本は、いずれも短編集の『回転木馬のデッド・ヒート』と『象の消滅 短篇選集 1980-1991』だ。しかし結局、偶然に棚でみつけた『少年カフカ』も購入してしまった。『少年カフカ』は、『海辺のカフカ』を発表したのちに村上春樹がホームページを開設し、読者からのさまざまな意見・質問に回答した1,220通のメールの内容が収録された雑誌風の本のようだった。

 同じ作者の本を続けて複数読む場合、読む順番というものがとても重要になる場合がある。たとえば、先日購入した開高健の『輝ける闇』と『夏の闇』は、『夏の闇』を三分の一ほど読んだところでそのことに気づき、中断して『輝ける闇』を読んだ。アマゾンの書評なんかではどちらから読んでもかまわないと書いてあったが、『夏の闇』でなぜ主人公があのような態度をとっているのかは『輝ける闇』を読んでいなければ理解することはできない。あの2冊は“闇”というキーワードでセットになっている上下刊の小説だと考えるのが妥当だろう。

 そんな諸々の経験から僕は色々と考えて、はじめに『回転木馬のデッド・ヒート』を読んでみた。今、最初の三つのストーリーを読み終えたところだが、これは買ってよかったと心から喜んでいる。こんな村上春樹は初めてで、しかも内容はかなり面白い。

 実はこの短編集に限っては、内容は基本的に他人から聞いた実話となっている(本人の体験談も少し入っているようだ)。つまり、ストーリーは他人のもので、文体は村上春樹という珍しい本だったのだ。村上春樹の普通の小説は、それが長編であれ短編であれ、村上春樹がストーリーを考え、村上春樹がそれを文章にしている。村上春樹の翻訳本は基本的には原文に忠実に翻訳されるため、それは村上春樹の文体というわけではない(翻訳する単語の選び方に村上フレーバー的なものは十分に感じられるが……)。しかし、この本におさめられている短編は、村上春樹とは違ったストーリーを村上春樹本人の文体で読めるという、ある意味で希少な内容となっているのだ。そして、それは最初の三話を読む限り、本人のストーリーに決して劣ることなく面白い(ちょっと控え目に言ってるかも)。

 『回転木馬のデッド・ヒート』は、新しい村上春樹に出会えたような気がした満足の一冊でした(まだ半分も読んでないけど)。



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