書評『恋しくて』 2013年12月07日

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 先月、『村上春樹いじり』とどっちを買おうかと少しだけ迷いつつ買ってあった『恋しくて - TEN SELECTED LOVE STORIES』を今、読み終わりました。村上春樹が選んで訳した世界のラブ・ストーリー9編に、村上春樹の書き下ろし短編小説を加えたアンソロジーです。

 まあ、これはあくまで僕の個人的な考えですが、どのような恋愛小説を好むのかは、おそらく本人の体験に強く影響を受けるのではないかと思います。だからきっと、どの短編が面白いと感じるのかは、きっとそれぞれ違うんでしょうね。なにしろ、学生の恋心の話から、おじさんのハラハラする不倫の話まで、いろいろと入ってますから……。僕個人としては、最初の三つがいきなり面白かったので、とても楽しく読ませていただきました。僕はどうも思春期の恋愛ものにグッとくる傾向があるようです(笑)。なにしろ、一番印象に残っているのが『テレサ』ですからね。アンジェロの気持ちが痛いほどわかる気がする……。彼がお父さんに「アンジェロ・マンジェロ」と呼ばれていた、ってとこも大好きです。

 この本には、今年ノーベル文学賞をとったカナダの女性作家、アリス・マンローの短編も含まれています。でもそれは大人のラブ・ストーリー(あとがきでは、上級者向けの恋愛小説であると書かれています)で、僕にはあまりぐっとくるものはありませんでした。やっぱりきっと、こういうのは本人の体験に影響を受けるんですね、おそらく。

 最後の村上春樹の書き下ろしは、これだけひとつちょっと違った印象を受けましたが、なんかザムザの気持ちはよくわかる気がしましたよ。なんとなくですが、同じような傾向が僕にもあるような気がする(笑)。

 読む人によって気にいる短編はぜんぜん違ってくるとは思いますが、きっと誰にでもお気に入りのものがいくつか含まれているんだろうなと思わせてくれる面白いアンソロジーでした。たまには、外国のラブ・ストーリーもいいですよ。登場人物の名前を見ても、男だか女だかすぐにはわからないのが少し面倒だけれど(笑)。





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