文章読本2015年05月22日



谷崎潤一郎の『文章読本』を読んでみました。

実は以前に三島由紀夫の『文章読本』を読んだことがあるのだけれど、そちらの方はなんだか著者の主義・主張を聞かされるばかりで、これといって役に立つことが書かれていたような記憶はありません。

それに対してこの本は、本多勝一の『日本語の作文技術』のように技術的なことについて具体的に書かれているわけではありませんが、日本語にはどういった特徴があり、どういう風に書くべきなのか、ということがよくわかる本です。前書きには、次のように書かれています。

云わばこの書は、「われわれ日本人が日本語の文章を書く心得」を記したのである。

先日読んだ『春琴抄』の文体についても書かれていました。句読点を極端に少なくしたのは、次のような効果を狙ってのことだそうです。

私の点の打ち方は、一、センテンスの切れ目をぼかす目的、二、文章の息を長くする目的、三、薄墨ですらすらと書き流したような、淡い、弱々しい心持を出す目的等を、主眼にしたのでありました。

また、谷崎潤一郎は英語にも通じた人で、「英語の長所を取り入れるのは良いことだが、取り入れ過ぎたために生じた混乱を整理する方が急務である」とも書かれています。そして日本語は主格を必要とする言語ではなく、英文法におけるセンテンスの構成というようなものも存在しない、と言っています。

ときどき、良い文章の書き方の説明で「主語と述語を近くに配置する」などと言っている人がいますが、主語(主格)なんてなくたっていいんですよと書いているわけです。問題はそこではないということです。これは本多勝一氏の本にも書かれていることです。

文章の上達法としては、他の多くの作家(たとえばスティーヴン・キングなども)が同じことを言っていますが、「出来るだけ多くのものを繰り返して読むことが第一で、次に実際に自分で作ってみることが第二」であると書かれていました。しかしその続きとして、次のようにも述べています。

多く読むことも必要でありますが、無闇に欲張って乱読をせず一つものを繰り返し繰り返し、暗誦することが出来るくらいに読む

このほかにも、使用する単語の選び方についてや、比喩の使い方についても書かれており、文章を書く人にはとてもためになる一冊です。



ぜんぜん関係ないけど、今日もミソチュウを食べてしまいました。

うどんのいなやのミソチュウ。





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