職業としての小説家2015年09月11日

『職業としての小説家』の写真。

どうしても今日読みたくなってしまい、近所の書店に電話をかけまくりました。今日の昼頃の話です。しかしどの店も長々と待たせたあげくに、結局は在庫はないと言います。正直、そんなことどうして即答できないんだろう、と疑問に思っちゃいました。一般人にはわからない紀伊國屋の陰謀があるのかもしれません。ところが、元祖台湾ラーメンの店の本店の近くにある店は違いました。

まず、電話に出たのが女の子ではなく、奇妙な味わいのあるオッサンだったのです(年下の可能性もありますがw)。僕はその人としゃべっていて、ある人物のことを思い浮かべました。『夢で会いましょう』という村上春樹と糸井重里の書いた本の中の「パン」という短編小説(原稿用紙10枚ほどの作品)に出てくるパン屋の主人(ハゲの共産党員)に雰囲気というかイメージがそっくりだったのです。あの『パン屋再襲撃』の元になった、最初のパン屋襲撃の話に出てくる、襲撃されたパン屋の主人です。その主人に似たオッサンが「まだ少しならありますよ。でもすぐになくなるだろうなあ」などとぶっきらぼうに僕に言うのです。それも、いかにも名古屋のハゲの共産党員が言いそうなイントネーションでです(あくまで個人的な印象です)。僕はもちろん予約をお願いしました。「今日中に来れるんなら」との条件つきでしたが、僕はすぐにでも家を出るつもりでしたので問題はありません。いったいどんなオッサンなのかなあと想像力もかきたてられました。

しかし着いてみると意外と普通の大きめの書店で、店には女性ふたりしか見あたりませんでした。それもきちんとした女性ふたりです。もっと町の本屋さん的なイメージで、ハゲの共産党員のおじさんが出てきて「明日は『タンホイザー』を聴こう!」などと言われることを期待していた僕はちょっと拍子抜けしてしまいました。まあでも、目的の本が手に入ったのですから文句はありません。





本は今、ちょうど三分の二くらいまで読んだところです。

まず、本文が「ですます調」だったので、おおと思いました。村上春樹は「ですます調」もいいんです! 特に『若い読者のための短編小説案内』の文庫本のための序文なんかはしびれちゃうような文章だったりします。「ですます調」と「だ・である調」の混ぜ具合(というか話してるように書いてるんですな多分)が絶妙なんです!

で、読んでて思ったんですけど、この本って「小説を書きたい人に向けての村上春樹からのアドバイス本」でもあるんですね。そういう意味では村上春樹の『文章読本』でもあるわけです。最初の章の最後の文章「リングにようこそ」を見たときには、ちょっと感動してしまいました。あと、推敲の話が具体的に具体的に生々しく書かれています。文章を書く人には必読だと思われます。書き上げただけで満足していてはいけないんです! 勝負は書き上げたあとから始まるのです!

そして第8章の「学校について」。ここにはその内容は具体的には書きませんが、本書の内容について僕はまったく同意します。この章には原発の問題なんかも出てきます。現代の日本に生きる大人の方にはぜひ一度読んでもらいたい一冊です。





村上春樹の文章はビールに似ていると思います。
僕が札幌にいた時に北大生だった瞳ちゃんなんかは、はじめはビールは苦くておいしくないと言ってました。ある種のものをおいしくいただくには、人によっては訓練や経験が必要となるのです。でも、だからって彼女はビールのことを否定はしませんでした。








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