レイモンド・カーヴァーの本2015年12月18日

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なんだか急に忙しくなってきたなと思ったら、もうすぐ今年も終わっちゃうんですな。
来年の出張の予定もバタバタと入ってきて、冬のうちに大阪に2回、秋には山形に行くことになっています。

ところで、名古屋にいると知人がけっこう出張でやってきて飲みに誘ってくれます。先日は昔の釣り仲間のW氏がやってきてバーで一杯やりました。名古屋駅で待ち合わせたんですが、時間があったので高島屋の三省堂に行ってみたら、レイモンド・カーヴァーの本がけっこう置いてあるではありませんか!

そんなわけでその日は、『』と『必要になったら電話をかけて』と『ビギナーズ』とついでに『村上春樹 雑文集』を衝動買いしてしまいました。文庫本を四冊買ったような気持ちでいたんだけど、レジに言ったら五千円くらいしたのでびっくりしました(笑)。ちなみに、上の写真は今現在の僕の持っているレイモンド・カーヴァーの本ぜんぶです(レイモンド・カーヴァーの本以外も、写っているのは村上春樹の著作か翻訳です)。

まあ正直に言って、レイモンド・カーヴァーの本で評価が高いのは『大聖堂』や『愛について語るときに我々の語ること』あたりですので、あんまり期待していなかったのですが、二冊読んでみて「これは買って良かった!」と思っちゃいました。

まず、レイモンド・カーヴァーの最後の作品が収められている短篇集の『』ですが、やっぱりレイモンド・カーヴァーです。おもしろい! 村上春樹さんはその中の『使い走り』が白眉だと解題で書いていますが、個人的には『象』の方が印象に残りました。本の最後に長く詳しい(思い入れのある)解題があるのもいいんですよね。

それから『必要になったら電話をかけて』ですが、これは生前のレイモンド・カーヴァーが発表しなかった作品と既存の書籍には掲載されなかった作品が収められている本です。ボツにしたのかもしれないし、まだ推敲の途中だったのかもしれない。いずれにしても、未公開の作品を死後10年を経て発表した貴重な本です。それで、それほど期待もせずに読んでみると、やはりレイモンド・カーヴァーです! 僕は好きだなあ、この本の作品。未完成ではあるかもしれませんが、いつものレイモンド・カーヴァーです。アル中で仕事がなくて、女房に逃げられた男の話。うまく行きそうで行かない夫婦の話。それでも親切にしてくれる隣人の話。特別ではない、普通の人の普通の話。

でも、この本のすごいところはもう一つあります! 村上春樹って、文学賞の選考委員とかやらないし、ほかの作家の作品を批評したりってまずしない作家ですよね。ところがこの本では、解題でそれぞれの作品に対してアドバイスのようなコメントを書いてるんです。「この作品には同じような描写が多い」とか「後半でもうひとつ濃いエピソードを入れるべきだった」みたいな。レイモンド・カーヴァーの未完成の作品に対する村上春樹の貴重な意見が聞けるわけです。こんなのって、この本以外では見たことがありません。正直言って、この解題を読んだときはビックリしましたよ。なるほど、村上春樹はこう考えて小説を書いてるんだって! ハルキスト村上主義者必読の書です。


話は変わりますが、少し前にたまたま古本屋でみつけて買った『月曜日は最悪だとみんなは言うけれど』を読んで、僕は少々ショックを受けました。だって、ミニマリズムの名手だと思っていたレイモンド・カーヴァーの初期の作品が、実は編集者の手によって元の原稿を半分くらいに削られた作品だった、という事実が判明した(というかその記事がその本に書いてある)からです。でも、レイモンド・カーヴァーに対する僕の気持はぜんぜん変わりません。詳しいことは、村上春樹さんの各本における解題を読めばわかります。その、編集者の手が入る前の(半分くらいに削られる前の)作品が読める『ビギナーズ』を読むのが今から楽しみです。というか、『出かけるって女たちに言ってくるよ』のエンディングが気になって先にちょっと読んでみたら、すごかったーーー!




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